最近、リバイバル新聞の論説で紹介した本です。まだ日本語になっていませんが、今出版を考えてくれている日本の出版社があります。
「聖書を祈る」
私たちの日々の祈りを大いに助けるコンセプトに出会ったので紹介したい。昨年暮れに入手したPraying The Bible :The Book of Prayers(聖書を祈る―祈りの本)という本だ。著者はカナダでニューライフチャーチを牧会し、「ビー・ア・ヒーロー」(危機的状況にある子供の救済団体)、「リバイバル・ナウ・ミニストリーズ」(キリスト教界の霊的刷新を促す団体)などの創設者であるウェスリー&ステイシー・キャンベル夫妻である。
日本で出版されている祈りに関する本を調べたが、「聖書をそのまま祈る」ことを教える本は見当たらなかった。もちろん、カトリックや聖公会では昔から「祈祷書」があり、御言葉に基づいた祈りが記されている。しかし福音派や聖霊派では、御言葉をそのまま祈ることを教え、しかも、その祈りを記している本は出版されていないように思う。
2000年の歴史がある祈祷書
歴史を調べるならば、ユダヤ人は紀元70年のエルサレム崩壊以降、祈りの伝統を失わないために公式の祈祷書を作っている。紀元550年頃にはケルト教会が詩篇のポケット版の祈祷書を作っている。それ以来、小さな祈祷書が至る所で用いられてきたと言われている。なぜ祈祷書が過去2000年間使われてきたかというと、それほど祈るための実践的助けになるからである。効果的に祈るためには、実質のある言葉が必要だ。実質のない言葉で祈っている人の祈りは弱くなり、やがて静まってしまう。静まると思考がさまよいはじめ、効果的な祈りからは程遠い所にいる自分に気付く。この経験をしていないクリスチャンはいないだろう。そのような私たちの祈りを助けるのが、聖書の言葉をそのまま祈ることを助けてくれる祈祷書である。
聖霊様の導きを強調するペンテコステ・カリスマ派のクリスチャンにもこれを勧めたい。聖書の言葉を祈っていると、元々霊感を与えて聖書を書かせた聖霊様が働いて、その御言葉を踏み台にして、導かれるままに力強く、確信を持って祈り、とりなすことができる。「何事でも神のみこころにかなう願いをするなら、神はその願いを聞いてくださるということ、これこそ神に対する私たちの確信です」(Ⅰヨハネ5・14)とあるとおりである。
新しいスタイルの「祈祷書」
前述の本Praying The Bibleは、古くからのコンセプトを新しいスタイルに仕上げたものである。新しいスタイルの一つは、聖書の祈りを八つのジャンルに分けていることだ。それは、次のとおりである。①神の現れ ②詩篇 ③知恵の祈り ④雅歌 ⑤預言者の祈り ⑥イエス様の祈り ⑦使徒の祈り ⑧黙示録の賛美。
それぞれのジャンルの前に、初心者にも、熟練したとりなし者にも役に立つ短い解説文があり、祈り手の助けになる。祈りは全部で88あり、聖書全体からバランスよく祈るための「聖書を祈る」チャートもある。
あなたは聖書の中にある「神の現れ」を何箇所ご存じだろうか。聖書の中で神は少なくとも6人にご自分の姿を現している。モーセ、イザヤ、エゼキエル、ダニエル、ペテロそしてヨハネに対してである。あなたはそれについて聖書研究をしたことがあっても、その聖書箇所を祈ったことはあるだろうか。この本の祈りは、まずこの「神の現れ」の聖書個所を祈るところから始まる。そのようにしてさらに深く神を知るのである。
祈りはもちろんすべて聖書から引用されているが、祈りやすくするために少し意訳されている。聖書に出てくる主な祈りを一冊の本に収めたこの本は、祈りを解説するよりは、祈りを実践するためのものである。御言葉を暗記するだけではなく、御言葉を祈ろう! というものだ。
個人の祈りのためにはもちろん、これから日本で起こされようとしている24時間祈祷の「祈りの家」のためには最適だと思う。24時間祈祷の先駆者であるIHOPのマイク・ビクル氏がこの本の序文を書いているのもそのためだろう。この本の日本語版の出版を待たず、読者に今から「聖書を祈る」ことをお勧めすると同時に、一日も早く日本語で出版されることを願って今出版社に働きかけているところだ。